◆家庭や学校、職場とは異なる“第三の居場所”にも
――自分たちの手で快適な公園に育てていくというのはすてきな発想ですね。
大場「公園はさまざまな年代の方が集まる場所です。子育て世代とひと言で言っても、よちよち歩きの子を持つ保護者もいれば、小学生の子を持つ保護者もいます。
公園での交流の機会が増えれば、世代を超えたコミュニティもでき、家庭や学校、職場とは異なる居場所ができます。そうすれば、みなさんで新しい活動を行うこともできますよね。そのためのステップの一つとして、現在試行中である『新しい公園のルール』をまずは本採用することが大事かなと考えています」
◆公園をめぐる、子育て世帯と高齢者の“対立”にストップを
――利用者にとっても、活動の場所が増えていきますね。
大場「そのためにはいろんな手段があると思います。杉並区が今行っていることが正解というわけではないので、そこは試行錯誤しながらすすめていきたいです。
また、SNSで公園での禁止事項が話題になると、“高齢者が子どもにルールを強要しているという”ニュアンスで反応されることが多々あります。実際、新しい公園のルールを試行した際、私たちのところにも『高齢者ではなく、子どもの立場になって考えてくれてありがとう』というお声をたくさんいただきました。
こういった声はもちろん励みになりますが、ただ、今回私たちが新しい公園のルールで伝えたかったのは、高齢者よりも子どもを優先したという対立の話ではありません。そのことは、皆さんにご理解いただきたいです。
いずれ私たちも歳をとっていきます。生活や状況や環境が変わる中で、いろんな世代の方にとって憩いの場所になればと感じています。公園は『ちょっとした交流をもったら意外に楽しかった』『おじいちゃんと話したら、意外に盛り上がった』という、世代や状況を超えた交流ができる可能性を秘めた場所だと信じています」