沖田 『インフォーマ』は唯一無二の作品。とにかくさまざまな概念を破りさって、かつ丁寧に作り上げた物語だったので、初めからシリーズ化のイメージは漠然とですができてました。それだけの手応えがはっきりとあった作品です。

桐谷 これまでいろいろな作品に出させていただいてきましたが、自分自身でそれぞれの作品を言い表すフレーズみたいなものが浮かび上がってくる時があって。僕が『インフォーマ』のときに感じたフレーズ、それは「覚醒」でした。刺激的な世界観や演出、これまでに経験したことのないような空気の中で「覚醒した!」という感覚があったんです。連ドラ初単独主演で覚醒できたということは、すごく幸せなことだったと思います。

佐野 自分にとって『インフォーマ』は「出会い」の作品ですね。健太さんをはじめとした共演者の方、スタッフさんとの出会い、そして、作品そのものとの出会い。巡り合わせやご縁というものを貴重だと感じた作品です。

沖田 『インフォーマ』という作品が持つ力強さには、一つの「インフォーマ基準」というのができた気がしていて、日本のドラマの歴史を塗り替えた部分があるのではないかと思っています。物語のテーマやスケール感、リアルでビビットな描写やテンポ、それらを表現できるキャストやスタッフ…すべてが揃ったからこそ実現することができました。ただそれは奇跡ではなくて、携わってくれたすべての人々の情熱だと思っています。

――続編の製作が実現するまでの流れはどのようなものだったのでしょうか?

沖田 そうですね。Netflixのドラマランキングでずっと上位にいて好成績を残したことで、こちらからはそれほど強く働きかけなくても、続編をやるということ自体は藤井道人監督と話し合いスムーズに決定しました。ただ、やるからには自分で書いている以上、前作を超えるものにしなければならない。そこは大変な作業ではありました。

桐谷 前作からもう、スタッフさん、キャストの皆さんの一体感がほんとにすごくて。みんなが本当にいいものを作りたい、この作品が好きだっていう思いが作り出した空気感ですよね。ですから、前作を撮り終わったときに、ごく自然に、「またやれたらいいな」「これはもう次に行かなあかんでしょ」くらいの空気になっていました。