◆乳がん発見から1年、ついに治療が終了

夫が撮影した手術後の私
夫が撮影した手術後の私
 年末に別の病院で放射線治療を終えた私は、年明けに元の病院に戻り、主治医の先生の診察を受けました。乳がん発見からまる1年が経っていました。主治医の先生は優しく「1年間よく頑張ったね。いろいろあって本当に大変だったと思うけれど、できることはすべてやったから、あとはあまり細かいことを考えずに過ごしていいと思いますよ」と言ってくれました。

 腫瘍を取り除き、転移したリンパのみならず、乳房周辺のリンパ節は転移の可能性があるためごっそり取り除きました。さらにそこに全身に散らばっているかもしれないがんの種を根絶やしにすべく抗がん剤を投薬し、仕上げに外から手術後の患部に放射線を当てて焼野原に。できることはすべてやった。本当にそうです。

 乳がんのタイプによっては5~10年服用するホルモン治療も私の乳がんタイプでは効かないとされているため、これで本当に治療は終了です。

 先生に言われるまで気づきませんでしたが、この1年間目先の治療をこなすべく、そのたびに不安になりながら、そしてプライベートでもぐちゃぐちゃしながら、必死で治療の日々を駆け抜けてきたのだなと実感しました。

◆やる気満々でスタートしたがん治療だったけど…

どん底を抜け少し笑えるようになったころ
どん底を抜け少し笑えるようになったころ
 治療をすべて終えた私は、この記録を自分で持っておきたいと「カルテ開示」をお願いすることにしました。今後そこまで詳細情報が必要に自分がどのように診断され、どんな手術をし、切り取った私のおっぱいはどんな診断をされたのか知っておきたいと思ったのです。

 開示されたカルテには、なんとわたしの切り取られたおっぱいの写真も載っていました。自分の身体から切り離されたおっぱいはなんとなく不気味でしたが、自分の胸についていたときの面影もあり、なんともいえない気持ちになりました。

 手術で取り除いた組織は、今後の研究のために使用しても構わないとサインをしたので、わたしのおっぱい細胞は、わたしの身体を離れて後世の研究にも活かされているのかもしれないと想像を膨らませました。