◆私生活では小4息子の進路に悩み
放射線治療を受けている期間も、相変わらず私生活の悩みは消えず、小4の息子の進路についてずっと考えていました。
口を開けば「塾どうしよう」と言い、息子には「もう塾の話をしないで!」と怒られ、夫にも相談に乗ってもらえず、誰にも話す人がいなくてひとりふさぎ込んでいました。
いてもたってもいられず、いろんな塾に問い合わせ、嫌がる息子を体験に連れて行きますが、どこもピンときません。なぜか中学受験は「家で親が勉強を手伝う」が前提。勉強アレルギーの息子が中学受験なんて絶望的なのか、でもそれなら勉強しないまま中学生を過ごした後の高校受験はもっと絶望的だと悲観的になり、焦りばかりが募ります。
この時期はメンタルが不調で誰にも会いたくなくなり、仕事もせずに毎朝放射線治療を受けに病院に行くだけの生活だったので、余計にあれこれ考えてしまったのだと思います。かといって気晴らしに何かしたいという気力も出ず、久しぶりの友人からのLINEにも返信できませんでした。悩みをぶちまけることも、平常心を装って返信する元気もありませんでした。
人って精神的に苦しくなると、楽しいことすらしたくなくなるのだなと痛感しました。夫や母もときどき「少し気晴らしに出かけてきたら?」などと声をかけてくれるのですが、頭の中が悩みと不安でいっぱいで、そんな楽しいことが入る余地もないのです。
もともとあちこち珍しいものを見て回ることや美味しいものを食べるのが好きなわたしが、買い物やご飯を味わう余裕もなくなったのは後にも先にもこの時だけです。この欲深いわたしがこんな状態になったのは自分でもショックでした。
◆ある塾長の言葉に、息子が「やる!」
そんなノイローゼ状態のまま息子を塾の体験に連れまわしていたわたし。あのときのことを思い出すと、本当に申し訳なかったなと思います。