西村氏自身も、イメージ通りに子育てができずネガティブになった時期もあったが、「育てがいのある子を授かった」ことを誇りに思い前向きに子育てできる価値観が、同書を通じて子育てに悩む多くの人たちに伝わることを願っているという。

実体験をもとにした発達専門小児科医の著書


同書は、のべ1万組以上の親子の臨床経験、特性のある子の育児実体験をもとにした発達専門小児科医の著書となっている。

「うちの子って、もしかしたら発達障害?」「手のかかるわが子を嫌いになりそう」「普通の子のママがうらやましい…」

この本は、このように子育てに“ちょっと困っている”ママやパパから、子どもの言葉の遅れや困った行動などの大変なレベルで困っている保護者にも、何度でも頼ってほしいという思いで作られた。

小児科専門医、子どもの心理専門医としての医学や知識、療育のエッセンスを取り入れた子育てスキルなどの子どもを伸ばすための子育て方法や、ASDやADHDの発達特性をもつ長男を含む3人の子育てによる西村氏の経験や反省点などを公開している。

また、様々なタイプの悩み別発達相談アドバイスとして、「発達検査や受診はしていないけれど、こどものかんしゃくや園の行き渋りなど、日常生活で困る場面がある」「ASDやADHDの傾向があり、療育にプラスして家庭での伸ばし方を知りたい」「言葉の遅れがあり、知的障害をともなうASDと診断されて落ち込んでいる」「特性のある子と定型発達の子のきょうだいの育て方の違いがわからない」といった、基礎知識を知り子育てマインドをアップデートできる内容が掲載されており、様々なタイプの子どもの心配・困りごとに対応した、子育てのお守りのような本になっている。

さらに、成功体験に繋がるための「アイコンタクト」「注目するほめ方」「注目しない叱り方」などを紹介。コミュニケーションの発達段階に応じた言葉とやりとり力の伸ばし方、心理学をもとにした「ABC分析」でかんしゃくを減らす方法なども掲載している。