◆今年が暖冬のせい?
「私も出来たらそうしたいんですが、なにせ寂しくならないから、そんな気持ちにならないんですよね」
そして男性も、美也子さんが寂しさを感じている時にしか誘ってこないそう。
「もしかしたら、私はまだ本気で誰かを好きになった事がないのかもしれませんね。でも、本気で愛せる相手に今後絶対に出会える保証もないし…どうしたらいいか分からなくなります」
Yさんにときめいているかというと、ちょっと違う気もしますが「私みたいな誰かを本気で愛した事もなく、寒さや寂しさに異常に弱い未熟な人間と付き合ってくれる事に感謝しなければならない」と思うようになってきたのだとか。
「きっとYさんは、春になっても夏になっても変わらず優しいままだと思うんです。それに比べて私は、冬は寂しいから一緒に居たい、夏は寂しくないからいいや、みたいな子供じみた甘えた考えで。ホント改めたいなと思っています」
「そんな風に思えたのは、今年が暖冬だからですかね」と苦笑いする美也子さんなのでした。
―シリーズ「冬の恋愛悲喜こもごも」―
<文&イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop