◆ブラック企業で7キロ痩せて円形脱毛症に
デザイナーとして頑張っていた日奈子さん。しかし現場は人手不足で混沌としており、彼女は毎日深夜まで残業し、数ヶ月で7キロほど痩せ、心も体もボロボロだったそうです。
「人もバンバンやめていく状態で、私も何度やめようと思ったことか。でもせっかく入った会社だし、貯金がなくて次が見つかるかも不安で、辞めるにやめられずという状態のまま、続けていました。
でも、ある時円形脱毛症が見つかり、『これはもう無理だ』と、悟りました。そうして彼氏に相談したのですが、意外にも『じゃあ結婚しようか』って言ってくれたんですよ。結婚してちょっと休んで、また働けばって」
すんなり寿退社を彼がすすめてくれたのには、理由があります。彼の住まいは千葉県の房総(ぼうそう)半島で、実家の母屋の隣にある、古い一軒家でした。
「つまり、結婚したらその家に住むわけで、家賃はかからないけど、お義母さんたちとほぼ同居になります。いきなり同居かあ…と思いましたし、今まで都内にしか住んだことがなかったのですが、当時はもう疲れ果てて、休めればなんでもよし。房総の海に癒やされたいっていうその一心でした」