しかもそのバカが、ずっと「天才」だとか「才能」だとか、そういう話をしている。なんか「才能がすごすぎるあぶねーサイコ野郎」みたいなキャラを打ち出してきてるわけですが、前述の通りやってることがバカなので、こいつに全然説得力がない。
というわけで、ミステリーとして見ると過去回を含めて最低の出来だったと思います。
じゃあ、定時で帰りたい3人の女性の「お仕事ドラマ」としてはどうかというと、こっちもあんまりちゃんと終わってる感じがしないんですよね。
いちおう西条はイケメン隣人といい感じになってたり、吉良さん(田中みな実)は元同僚のイケメン市長といい感じになってたり、基山(滝沢カレン)は一人暮らしを始めたりと「変化のときを迎えました」みたいな結末にはなってるんですが、そもそもこのドラマのタイトルである「ギーク」「変人たち」という言葉と3人のキャラクターが全然合ってないので、このドラマが「どんな人たちを、どうしたかったのか」がよくわからない。こういう働き方をする女性たちの「何を変えたくて、何を変えたくなかったのか」、そういうところが結局最後まで見えてこなかった。
なんかフワっと終わりました。フワっと。
■松岡茉優はいいですよね
松岡茉優はいいですよね。このドラマは松岡茉優という俳優さんの地力だけで、なんとか立っていたと思います。容疑者にされたり、監禁されたり、イケメンに胸キュンさせられたりと、あっちこっちに雑に振り回されながら、自分のプランを通して見せたと思います。田中みな実と滝沢カレンも、タレントとしてのパブリックイメージを残しつつ役に入っていて、居酒屋のシーンはずっと楽しいんです。
たぶん、コンセプトとしては間違ってなかったと思うんですよ。特殊能力を持っている3人の女性警察官が、週末の居酒屋でお酒を飲みながら事件を推理して解決する。結局、ほとんどそういうプロセスで解決を見た事件はなかったけど、コンセプトと3人のキャラクター造形はおもしろそうなものではあった。作品としての原風景は、全然悪くない。