◆「スンッ」の実践者は男性?
この場面の状態について、尾野真千子のナレーションが「この通り、スンッ」と説明する。寅子は「私、あの顔苦手だわぁ」とぼやく。戦前に自由を体現したモガ(モダンガール)的資質がある彼女からしたら、女性たちの「スンッ」もまた「はて」の対象となる。
寅子が法律を学ぶために通う明律大学女子部の学友たちもそれぞれに悩める「スンッ」の女性たち。それを寅子の必殺「はて」がひとつひとつ丁寧に解きほぐす。
いつまでもほぐれないのは、男性たちだろう。女性に「スンッ」を強いる立場の彼らがその実、「スンッ」の実践者みたいに見える瞬間もある。寅子と本科で同級生になる花岡悟(岩田剛典)が極めつけ。