かつお節についているカビで手が茶色くなった
かつお節についているカビで手が茶色くなることで理解できることがあります
 かつお節を握っていると、まわりのカビが手について茶色になるでしょう。この体験により「なんだこれは?」という疑問が芽生え、においをかいだり、この成分がいったい何なのか? を考える大きなきっかけになります。

 また、子どもの関心事は親の想像とは違う方向に行く場合も。硬さが気になって、テーブルをトントンしたり、途中で削り節をつまみ食いしたくなるのが子どもの発想。このような行動を叱ることなく、楽しませてあげる寛容力を大切にしています。

子どもは親の想像通りに行動するとは限りません
子どもは親の想像通りに行動するとは限りません。かつお節で遊んだり、途中でつまみ食いをしても大らかな対応をしています
【大切にしているポイント例】※カッコ内は育める能力

・かつお節がどうやって作られているかを最初から教えない(知的好奇心)

・においや触った感覚を体験させる(五感を育む)

・つまみ食いを叱らない(楽しむ力)

・どんな料理に使うのが良いか、一緒に考える(創造力)

・かつお節を削るのが本物、正解だという概念を植えつけないこと(柔軟性)

◆③大好物なヨーグルトの食べ比べをする

プレーンヨーグルト5種類を食べ比べ
プレーンヨーグルト5種類を食べ比べすることに。メモを書けと指示をするよりも、まずは感覚優先で楽しんでもらいます
 最後は、普段からいろいろな食材で実践している「食べ比べ体験」です。

 ここで大切にしているのは、子どもが好きな食材を選んで楽しく進めること。チーズ、ヨーグルト、だし、バニラアイスなど原材料がシンプルな方が取り組みやすいでしょう。ここではヨーグルトを5種類並べてみました。同時に比較しながら食べてみると、味や質感が違うことがすぐに理解できます。

食べ比べによって、食品のパッケージに興味を持てるように
食べ比べによって、食品のパッケージに興味を持てるようになります。特にわかりやすいのが数字の違い
 ヨーグルトをどうやって作るのか? という疑問がわいてきたら、必要な材料や製造工程を伝え、材料や菌の違い、発酵環境などの話を“腹六~七分”を意識しながら説明するようにしています。