もちろん、ちさと&まひろはフィクション上の存在なわけですが、TVを観ている視聴者の分身でもあります。自分は非道なことはやらかしていないと思う人もいるでしょうが、日常的に着ているTシャツやパンツなどのファストファッションは、インドネシアやバングラディシュの女性労働者たちを搾取することによって生産されているものです。輸入雑貨店などでチョコレートやコーヒー豆を買うときも、値段の高めのフェアトレード商品ではなく、より値段の安いものをつい選んでしまいます。コンビニやファストフード店で食べるチキンナゲットやハンバーガーは、家畜を屠殺し、工場製品のように加工されたものです。
みんなの中に、小さな捕食者、ちさと&まひろがいると言ってもいいんじゃないでしょうか。
第2話のラスト、キッチンに立つちさとが作ったのは、「まかないの親子丼」でした。店長からレシピを教えてもらう約束でしたが、それはもう叶わないので店長の味を思い出しながらちさとが再現したものです。まひろも美味しそうにいただきます。今後、ちさと&まひろが親子丼を口にするたびに、店長たちのことを思い出すかどうかは分かりません。すでに、2人は数え切れないほど多くの人をあやめていますから。
9月18日(水)深夜1時10分からスタートの第3話は「この子をお迎えします」。9月27日(金)より公開の劇場版第3弾『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ!』や伊澤彩織が超絶アクションを披露したホラーアクション映画『オカムロさん』(22年)の助監督を務めた工藤渉監督の担当回です。これまでの地上波テレビの常識を破るような内容を期待したいと思います。