「鎌田と田中は、遠藤に比べると攻撃的な役割を担うことが多い選手であり、守備のスペシャリストである遠藤の代わりにはならない。守田については、遠藤のように守備的なポジションを担うこともありますが、バーレーン戦では2得点を挙げるなど、やはり攻撃的なポジションで使いたい。そうなると、現状では純粋な遠藤のバックアップとなる選手がいないんですよね。遠藤の調子が今後も上がってこなかった場合、ここが弱点になってくるでしょう」(同)
昨年行われたアジア2次予選と、今年の1月から2月に行われたアジアカップで、遠藤のバックアップとして代表に招集されていたのが、ドイツ・ブンデスリーガのマインツに所属する佐野海舟である。しかし佐野は、鹿島からマインツへの移籍が発表された直後の今年7月14日、不同意性交の容疑で警視庁に逮捕された。
本人が容疑を認めていたこともあり、そのままサッカー選手としてのキャリアを棒に振ることになるかと思われたが、7月29日に釈放されると、ドイツに渡りマインツに合流。8月8日に不起訴処分となり、その後はマインツの一員として公式戦にも出場している。
「性加害報道があった伊東純也も不起訴となり、日本代表に戻ってきましたが、佐野については逮捕されているということもあり、代表復帰へのハードルはかなり高い。仮に代表に招集されるとしても、もう少し時間がかかるでしょう。遠藤が微妙になっている今の状態だと、佐野の不在が結構なダメージになっています」(同)
もちろん、今後遠藤がリバプールでの出場機会を得て、徐々に調子を上げていけば問題はないだろう。アジア最終予選をしのぐだけなら、それで十分かもしれない。しかし、ワールドカップ本戦が行われる2026年には、遠藤は33歳となり、キャリアのピークを過ぎている可能性も高い。そうなると、遠藤の後継者は不可欠であり、現在23歳の佐野海舟の存在が重要となってくるのだ。