◆山﨑賢人以降不在だった“きらきら映画王子”
現実と夢(二次元)をリンクさせる、その才能を生かさない手はない。もし高橋がラブコメ漫画を原作とする実写化作品が日本映画界の一大潮流になり、黄金期を迎えた2010年代中頃を生きる俳優なら、間違いなくきらきら映画作品で気を吐いていたことだろう。
現在、同ジャンルは、興行面で下火になり、日本映画シーンから薄れた感がある。それでもケータイ小説のヒット作を原作とした『交換ウソ日記』(2023年)で、(恋愛映画)初主演を果たした高橋が、ラブコメ的なきらきらオーラを全身から放っていた。
『オオカミ少女と黒王子』(2016年)を頂点に当時のきらきら映画を牽引したのは、実写化王子の異名を取った山﨑賢人だったが、山崎以降不在だった“きらきら映画王子”の座は、高橋が継承するより他なかったとも言える。