◆子どもを自分の分身のように扱っていないか

――娘・奈月が大人になっても苦しむさまを見て、親から子へのハラスメントは被害が甚大で抜け出すのに膨大な時間がかかるのだなと再認識しました。親から子へ、または大人から子どもへのハラスメントについて、ご意見をお聞きしたいです。

漫画・龍たまこさん(以下、龍):わたしは今42歳ですが、うちの父くらいの世代になると、「子どもの人権意識」というのは非常に希薄でした。子どもは、農村地帯においては労働力であり、親には絶対服従するものであり、1人の人間として扱われてはいなかったと思います。

今はそこまでではなくなったと思いますが、自分の子どもを自分の分身のように扱い、子どもを自分の思い通りにしようとしたり、自分が叶えられなかった夢を子どもに託したり、子どもと自分との間で自他境界ができていないパターンは多く見られると思います。