◆キモさレベルが限界突破

 オフィスでのひと幕。伊藤沙莉がチュロスを一口食べようとすると、向かいに座る岡田将生が、かぶりつきで聞く。「チョコがなめらかになったんだよね?」。それがどれくらいなめらかなのかをダンスでいきなり表現する。

「これくらいなめらかかなぁ」とオフィスフロアーをいったりきたり。足さばきは、横ムーンウォークみたいで、確かになめらかな動きだけれど、キモさレベルがとうとう限界突破してしまった。

 3月8日から全国公開されている主演映画『ゴールド・ボーイ』では、めずらしく殺人犯役を演じて新境地だと呼び声高いのに、こんなキモカワの境地をくねくねダンスで表現するなんて。これなら胸を張ってもう一度、まー君呼びができそうじゃないか!

 毎週金曜日よる10時から放送されている『不適切にもほどがある!』第7話では、めちゃイケだけど、でもうっすらダサい感じも漂う美容師役でハイブリッドなゲスト出演をサラッと決める。どうせまたアカデミー賞級のストレートな演技を軽々と投下するんだろうなぁ。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】

音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu