◆『星の子』『ドライブ・マイ・カー』で見せたのは…
このダサキャラが紛れもないはまり役だったし、世代的な親しみやすさは、明らかにまー君呼び適用範囲。『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(2017年)のツッパリ兄貴役もこの範囲に含め、これで第3期は呼び名復活かなと思いきや、芦田愛菜主演の『星の子』(2020年)で、芦田を前に困惑と無言の好演を響かせてくる。
あれ、まー君、やっぱ違うの? みたいに狐につままれたこの感じ。さらにダブルパンチ。濱口竜介監督作『ドライブ・マイ・カー』(2021年)で演じた人気俳優役の潜在的な暴力性は、まるでヴァンパイアのようで、血の気が引く、寒々しい怪演だった。
この役を引っ提げて、日本映画初のアカデミー賞作品賞ノミニーとなった同作の授賞式レッドカーペットでは、世界が岡田の存在を発見したかのように、カメラのフラッシュがパシャパシャ。あれよあれよという間に世界の人に。やっぱ狐につままれてる……。
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