◆宮沢氷魚と佐藤緋美に共通すること
ここに恰好のテレビドラマ作品がある。
西島秀俊が世界的な指揮者を演じる『さよならマエストロ』には、才能あふれる2世俳優がふたりも出演している。親の名を知らずとも、彼ら本人だけで掛け値なしの逸材。
実際、筆者は宮沢氷魚と佐藤緋美の親の名を知らずに、ふたりの演技を見ていた。彼らの演技に共通するのは、演技が上手い下手に関係なく、その人の人間性がにじんでいること。
技術的に優れていても演技が面白くなるわけではない。キャラクターに憑依しているから上手いわけでもない。演技とは、演じるその人自身でなければならないという証明みたいなものではないだろうか?