◆オスカー獲得よりも価値があると感じたこと
――まさに映画にはそうした力があると思いますが、役者という仕事に改めて感じている意義深さがあれば教えてください。
ブレンダン「映画というのは、何かを悟らせてくれたり、あるいはただの娯楽として楽しませてくれたり、両方の側面を持っていて、作品によってはそのどちらも持っています。自分としてはそうした作品に関わっていきたいし、この仕事に喜びをずっと感じ続けています。なかでも社会になにか貢献できるものであって欲しいという気持ちもあります。
この作品に関しては、肥満症と戦う方やその家族の方を支えるOAC(the Obesity Action Coalition)という団体があって、そのメンバーで映画を観てくださった方がすごく褒めてくださいました。その1文の中に『この作品が、絶対に誰かの命を救うと私は信じています』と書かれていたんです。すごいなと。とても大きく自分が報われた気持ちになりました。もちろんオスカー(アカデミー賞)をいただけたことは嬉しいことなんですけど、誰かの命、誰かの運命を変えることになるかもしれない作品になったことが、何よりも価値のあることだと思いました。ですから、この仕事が僕は大好きです」