――子どもの頃、親に否定され続けると自己肯定感が育たない、と一般に言われますが…おおたわさんはどんな子でしたか?

おおたわ:小学校の頃はとてもおとなしい子でした。先生が「わかる人、手を挙げて」と言って、答えがわかったとしても、みんなの前で発表するのが怖くて、手は上げられなかった。運動会では1番を取ると目立ってしまうから、わざと遅く走っていました。爪を噛んだり、髪を抜いたりという自傷もひどかった。

◆自分の顔が嫌い…中学3年で整形しようとした

おおたわ:この頃は、自分の容姿にも性格にも自信がなくて「私なんかダメだ」と思っていたんです。母にも、「おまえは醜い」「デブだ」と毎日のように言われていました。

自分の顔が嫌いで整形手術を受けたくて、お年玉やお小遣いを貯めて、中学3年の春休みに美容整形クリニックに電話をしたことがあります。まだ子供だったので、電話したらその日のうちに手術の日程が決まって、春休み中に全て顔が変えられて、高校からは新しい人生が始まると思っていたんですね。でも、カウンセリングの予約を取れるのは来月と言われ、高校入学までに間に合わないと分かって、整形手術を受けることを諦めました。

――お母さんも、何度も整形していたそうですね。

おおたわ:はい。「自分の顔が大嫌い」というのは、結局、「自分が嫌い」ということの表れなんですよね。

今となっては、あのとき整形しなくて良かったなと思っています。

私は優しい父のことが大好きでした。亡くなってから日が経つと、だんだんと普段父がどんな表情をしたのか忘れちゃうんですよね。ふと鏡を見たときに、左右の目の2重幅が違うところが父にそっくりだと気付いたのです。

それ以来、整形するのはやめておこう、自分の顔を好きになれるような生き方をしていこうと思っています。しわはこれからも増えるけれど、そんな自分の顔も許せるといいなと思います。