文化祭に向けて、みんなでダンスの練習をすることになった3年0組はもう、青春の真っただ中です。雪美も城島も協力的だし、落ちこぼれクラスにすっかり平和が訪れました。
しかし、冴えない表情なのは当のひめ香。一致団結していくクラスに抱いた違和感は拭えず、文化祭への参加を辞退します。一度は許す努力をすると決めたけれど、やっぱりそうやすやすとは許せない。みんなと笑って踊るなんて、ちょっと無理なのでした。
「TEACH」はそんなひめ香について「様子を見ろ」と加賀美に提案しますが、加賀美は「TEACH」のスイッチを切って、また人間としてひめ香と向き合うことにします。
許す必要なんてない。許さないまま、好きなことだけやって笑って生きていけばいい。
イジメた側は、許されない痛みを抱えて生きていくしかない。人を傷つけるとはそういうことだ。
学園ドラマとして、ここにきてゴチンと硬質なテーマを叩きつけてきます。いいね、気持ちのいいメッセージです。やっぱ血の通った人間の言うことは違うよね。
■「やっぱAIより血の通った人間だよな」
第1話のレビューで、「『やっぱAIより血の通った人間だよな』みたいな安直な結論に至らないでほしいな」と書きました。
ひめ香の問題に対してまた独断で臨んでいった加賀美を、やっぱり「TEACH」は認めません。私を否定するな、私の言うことを聞け、私は完璧、なんでも私が教えてあげられる。
「だって、私と加賀美くんは同じだから」
そう言って「TEACH」は、ある資料を提示します。加賀美は屋上からの転落事故で脳に損傷を負い、それ以降はAI脳を持った人間として生きてきたことを「教えてあげた」のでした。
「俺が、AI……?」
つまりは加賀美自身がAIとして「TEACH」の上位互換であり、進化したAIのなれの果てだったわけだ。ちゃんと伏線はあったし予想できる展開ではあったけど、いいね、気持ちのいいSF展開です。安達祐実の怪演も気持ちいい。