それだけに、本放送で松平健が能登半島をたずねたVTRのあと、会場内でライブペイントがいよいよ始まると、司会の上田晋也の隣で「いやぁ」と感慨深さをもらしたり。
かたわらには三代目JSBメンバーが勢揃い。腕をマッサージしてくれるなどの完全ケア付きだが、見守られるほどに、最初の一滴をたらそうとする岩田の手元から緊張が伝わる。ペンキをたらすスプーンはカンバスから常に浮いた状態。ほとんど空中的アートといってもいい。それくらい研ぎ澄まされた緊張感がある。
◆テレビの枠を軽々と超えるスーパースター
9月1日午前には、LDH現社長EXILE HIROが会場に「助手」としてかけつける。岩田が三代目JSBメンバーを動物にたとえて描く3枚のうち、ボーカルØMIを模したオオカミのしっぽにHIRO自ら色筆を入れた。まさかの助手登場に緊張の一瞬ではあるものの、24時間ライブペイントをやり遂げるためのLDH愛入魂の瞬間でもある。
オークションも始まり、人気作家の作品が次々落札されていく。その合間、岩田は三代目JSBが参加するチャリティーライブパフォーマンスもこなす。三足の草鞋を履いた、止まらぬ活動スタイルを回遊魚にたとえて“マグローマンスタイル”と本人は呼んでいるが、この24時間でそのスタイルをリアルタイムで実証した。
完成した3枚の作品は夕方のオークションで合計881万円の値が付いて落札された。そして全落札作品が『銀河鉄道999』大型パネルにはめ込まれ、三代目JSBによる同作の主題歌カバー熱唱がクライマックス。絵画を乗せた銀河鉄道が画面内を動いていたけど、実際には三代目JSBの歌唱力によってテレビ画面自体が動いてたよ、あれは。
もっと言うと、岩田剛典の出演でテレビ画面内にカンバスというもうひとつの画面がフレーミングされるという、フレーム内フレームの奥行きが生まれた。それこそテレビ史が動いたテレビ画面の未来図だったように思うのだが、いずれにしろ岩田剛典は、テレビの枠(フレーム)を軽々と超えるスーパースターなんだと口を酸っぱくして言いたい!