人付き合いでの寄らば大樹の陰の使い方・例文

寄らば大樹の陰の意味や使い方は?寄らば大樹の陰の例文と類義語・対義語
(画像=『Lovely』より引用)

人付き合いをしていく中の会話で「寄らば大樹の陰」を使う場合、次のような使う方が考えられます。

人付き合いでの例文パターン①

(例文)「お小遣いが欲しいけど、お母さんにお願いしてもちょっとしかもらえないな。

どうせなら「寄らば大樹の陰」でおばあちゃんのところへ行こう!」

確かに、お小遣いをたくさんもらおうと考えるなら、お母さんよりたくさんの金額がもらえそうなおばあちゃんに頼ったほうが有益ですよね。

人付き合いでの例文パターン②

(例文)「あいつはコロコロと付き合う友だちを変える。

「寄らば大樹の陰」かもしれないけど、薄情だな。」

付き合う相手を権力の強さなどでコロコロと変えていると、一時的には得をしたり守られたりすることもありますが、人心は離れてしまうでしょうね。

ビジネスシーンでの寄らば大樹の陰の使い方・例文

寄らば大樹の陰の意味や使い方は?寄らば大樹の陰の例文と類義語・対義語
(画像=『Lovely』より引用)

「寄らば大樹の陰」は、ビジネスシーンで多用される傾向があります。

ビジネスシーンでの例文パターン①

(例文)大手の銀行に就職したから「寄らば大樹の陰」だね

就職先はできるだけ安定した大企業を選びたいところ。

大手銀行などはまさにゆるぎない大樹のようなものですから、企業の強力な庇護を得られるという意味でも「寄らば大樹の陰」ですね。

ビジネスシーンでの例文パターン②

(例文)就職活動では「寄らば大樹の陰」で大企業に人気が集中する

こちらも同じく大手企業がゆるぎない大樹だという例えで使う会話です。

安定を得ようと大企業の庇護を求めるために次々とリクルーターたちが寄り集まる様は、まさに大樹の陰で日差しや風雨をしのごうとするかのようです。

ビジネスシーンでの例文パターン③

(例文)「寄らば大樹の陰」で会社にしがみついている

「寄らば大樹の陰の考え方の人」といって、一流企業にしがみついてさえいれば安全・安定が得られるという進歩のない考え方を否定する表現ですね。

この使い方は「寄らば大樹の陰」ということわざにネガティブなイメージを与える元凶ともいえるものです。

寄らば大樹の陰であることの3つのデメリット

「寄らば大樹の陰」につきまとう悪いイメージは、大企業にしがみつくことだけに固執する「寄らば大樹の陰の考え」という表現に代表されます。

たしかに、ビジネスシーンで他人のことを「寄らば大樹の陰の考え方の人」という場面は、相手のことをちょっと卑下したようなイメージですね。

でも「寄らば大樹の陰」なビジネスマンであることも、意外と大変なんですよ。

寄らば大樹の陰であることのデメリット①自己のレベルを高く保ち続けなければならないから

寄らば大樹の陰の意味や使い方は?寄らば大樹の陰の例文と類義語・対義語
(画像=『Lovely』より引用)

大企業で勤務している人、または大企業に在籍した経験がある人だと理解できている話ですが、意外なことに、大企業では「入社する・採用される」ことよりも、その場で「生き抜く」ことに困難が付きまといます。

まず、入社・採用の時点で厳しい選考による強力なフィルタリングがかかるため、大企業の社員は全般的にハイレベルな人物が大多数を占めているという現実があります。

学歴に準じて基礎学力が高いだけでなく、社会人としての意識が醸成した人物が多くを占めているため、自己研鑽を欠かすことはできません。

また、大企業の社員であるからこそ高いプライドを持ち、企業戦士として意識を高めている人物も多く、社外だけでなく社内でも厳しい競争を勝ち抜いていかなくてはなりません。

ここで「長いものには巻かれろ」の意識で生ぬるい立ち回りをしていると、いつか必ず淘汰されてしまいます。

上司や強い勢力が相手であっても、時には争い、打ち勝つほどの気概も必要でしょう。

大企業の社員であり続けようとすると、そんな勝負のときを迎える日が必ず訪れます。

そう考えると「寄らば大樹の陰」と「長いものには巻かれろ」は、同じ意味で使われるようなイメージがありながら、ビジネスシーンでは実はまったくの正反対の立場を語ることもあるのです。

大企業という大樹に身を寄せてもなお、自己のレベルを高く保ち続ける必要があるという厳しさは、実際に大樹の陰に身を置いてみて初めて気が付くことなのかもしれませんね。

寄らば大樹の陰であることのデメリット②人事評価が厳しい

寄らば大樹の陰の意味や使い方は?寄らば大樹の陰の例文と類義語・対義語
(画像=『Lovely』より引用)

中小の企業では「キャリア=年数」のような気質があり、たとえ優秀なビジネスマンではなくても単なる数字としての年数があれば管理職・役職に就いてしまうことがあります。

競争を勝ち抜いたわけでもないのに年数だけを重ねているレベルが低い上司が管理職になると、単に決裁の権限があるだけで部下を育成するという意識には欠けていると酷評せざるを得ません。

大企業に共通していえる特徴が「人事評価が厳しい」という点です。

大企業は人事評価が客観的で、在籍年数などに関係なく優秀な人材が取り上げられやすい環境が構築されています。

反対に、レベルが低い人材であれば、いくら体裁を取り繕っても高評価を得られることはなく、競争に敗北してしまった人材は日陰を歩くしかありません。

「寄らば大樹の陰」などと大企業に入社したことに安心してぬるま湯につかるような姿勢で仕事をしていると、まず間違いなく厳しい人事評価を受けて生存を許されない状況に陥ってしまうのです。

寄らば大樹の陰であることのデメリット③人材の入れ替わりが激しい

寄らば大樹の陰の意味や使い方は?寄らば大樹の陰の例文と類義語・対義語
(画像=『Lovely』より引用)

中小企業と比べると、大企業は人材の入れ替わりが激しいという特徴があります。

毎年きまって新卒・中途での採用を実施し、一方で出向や早期退職・リストラも日常的におこなわれているため、血がよどむことなく流れ続けるのです。

転勤や配置転換も盛んで、最低でも1年に一度、多いところでは四半期に一度のペースで人事異動を発令することで、人材の入れ替わりによる組織の強化がはかられています。

すると「寄らば大樹の陰だよ」と余裕をもって一つ所に居座りながら、ゆっくりと自分のペースでスキルアップを目指すなんて姿勢は許されません。

ハイスピードで仕事を覚え、すぐに最高の効率で仕事をこなすスキルを習得することが求められます。