▲個室にあるアートはコースの変遷を伝えます

富士スピードウェイのコースレイアウトは、奥から1966年-1974年、1987年-2003年、2005年から現在。パイプにはタイヤのホイールなどにも使われるハイグロス塗装や、微細な凹凸がある梨地(なしじ)加工など異なる3種類の表面処理をして、同じ色合いながら奥行きを生み出しています。

静岡の味を満喫しつくすコースディナー

静岡県は東西に長く、富士山周辺の高原地帯から海に囲まれた伊豆半島まで南北120km弱もあるため、海と山の幸に加え、標高差や寒暖の違いもあって多彩な野菜がそろいます。カウンターに並ぶ旬の野菜が目を楽しませてくれると同時に、料理が進むにつれてその美味しさに感激。肉や魚ももちろんですが、野菜の美味しさを実感するひと時でした。

今回はメイン料理のみ異なるコース料理「OYAMA」と「OMIKA」を紹介します。

▲フレッシュな県産や周辺の野菜が並んでいました

はじめの一皿は、パプリカ、茄子、冬瓜など、静岡を中心に14種類ほどの夏野菜を使い、煮たり揚げたり、お浸しにするほか、生のフレッシュなままで使ったりと、様々な食感や味わい、調理法を一度に楽しむラインアップです。一番上に飾られるサツマイモは低温で揚げられて香りや甘味を満喫。野菜の美味しさに驚かされるサラダです。

▲多彩な味のパッチワーク「彩り夏野菜と梨の胡麻香るサラダ」

二皿目は冷製茶碗蒸し。富士山の伏流水や静岡県産の大豆を使った御殿場サカグチヤの豆腐を使い、トウモロコシの擦り流しの中には、県西部の森町で栽培されたトウモロコシ「甘々娘(かんかんむすめ)」の粒が隠れていて、とっても甘くコーンの風味が広がります。トッピングの海ぶどうも、沼津で養殖された県内産という驚きです。

▲「サカグチヤ豆腐の冷製茶わん蒸し 海ぶどう 海老 とうもろこしの擦り流し」

鰹の漁獲量日本一を誇る静岡県。この日は御前崎に水揚げされた鰹に、備長炭を直接押し付けて、香ばしく焦がした風味が食欲を刺激するタタキです。付け合わせのポテトサラダには鰹の酒盗などが使われ、お酒のアテにもピッタリ。さらに鰹をスパイスで食べるのは珍しく、鰹本来の味も楽しめる新しい体験でした。