◆男女の離婚理由、もっとも多いのは…

 価値観の多様化が進み、その結果離婚や別居婚、夫婦再構築を選ぶなど、人生の過ごし方もバリエーションが増えているわけですが、それでもやっぱり「離婚」を選択するには、どういった理由があるのでしょう。

 一般的に、熟年離婚といえば、妻側から三行半を突きつけるイメージです。しかし、リアルではそうとも言い切れないとか。

「私が相談を受けている熟年離婚を希望する方の割合としては、まだ女性からの声が多いです。でも、男性からの声も増えています。具体的な理由は、女性の場合『子育ても介護も終わったことで、もう夫と一緒にいる意味がない』といったことが多いですね。長年妻や母という役割をまっとうした方は、年金や夫の退職金を財産分与し、パート等で働けばあと20年くらいの人生設計も問題ない方もいらっしゃいます。

 迷惑をかける人もいないしこの先の見通しも立つからこそ、女性から離婚を選択できるわけです」

 夫の退職や雇用形態の変化にともない、夫婦のパワーバランスが変わることはよくある話です。しかし、男性側からしたら、長年働いて養ってきた家族に決別を突きつけられるのは、なんとも言えないものがあります。