自然とともに生きて死ぬことを忘れ、高度なテクノロジーに依存したラピュタの民の滅びの真相を知ったシータは同じくラピュタの末裔で、ラピュタの科学力によって世界の支配を目論むムスカに反発、滅びの言葉「バルス」でラピュタを葬り去る。

 ラピュタは、中心となる巨大な飛行石を残し崩壊。はるか空の彼方へと飛び去る。パズーとシータは地面に降り立つのだった……。

 頭から最後まで完璧に仕上がった隙の一つも見つけられない作品でいつ見ても興奮、感動させられる。約40年前の作品でありながら古臭さがまったくないのは、王道の冒険活劇はどの世代の人間の鑑賞にも耐えうる作品になると考えた宮崎駿の慧眼によるものだろう。

 筆者がラピュタを初めて見たのは中学時代、学校の野外学習で近所の市民ホールに生徒が集められた上映会であった。普段はアニメなんて馬鹿にしている教師たちも、中央児童福祉審議会特別推薦作品なら良いと思ったのだろう。

 当時の筆者は中学生にしてひねくれ者だったので、前述した高年齢向けアニメを好んでおり、宮崎駿の子供向け活劇路線を批判的に見ていた(思春期だったってこともあるけど、イヤな子供だねホント)。

が、映画を観終わった後では掌を返したけどね! こいつは最高だ! と。

 ノベライズ版まで買ってしまったぐらいだし(ノベライズにはパズーがその後シータに宛てて書かれた手紙が出てくる。ムスカによって破壊された軍の飛行艦ゴリアテは撃沈されたのに軍は「改修している」と事実を隠蔽していて、「権力者ってのはいつもこうだね」と思ったもんだ)。ひねくれたオタク少年すら偏向させた『天空の城ラピュタ』金ロー17回目(!)の放送は今晩です!