◆判断基準は、たったひとつかも
では最後に、どんな場合だったら立ち止まって考えるべきなのか? という問題。
あくまでも正解は一つではありませんので、それを前提に私の考えをご紹介すると、動画視聴の行為が、「夢中」であるか、「依存」であるかという判別法です。
待っている時間の範囲内で、好きな世界が映し出されている映像に夢中になる場合は、大した問題ではないと考えます。
一方、動画を視ていないとその場の過ごし方がわからない状況になっていれば、要注意。なぜならその子はまわりの世界に対して関心を示すどころか、自分がいる状況を客観視する(食事をみんなと楽しむ時間であることを、子どもながらにわかっていればOK)意欲がないからです。
万が一そのような状況に陥っていたら、大人は対策を考えるべきだと思います。
まずは自分の子どもを冷静によく観察してみることから……。そうすれば、意外と親も子供も安心が得られるかもしれません。
大事なのは、SNSやママ友などに答を探すのではなく、親として自分なりの考えや判断基準を持てるよう、少しずつでもいいから心がけていくこと。
もちろんいろんな意見や考え方を聞くのはアリですが、変に影響を受け過ぎたり翻弄される必要はありません。これは今回の動画問題以外でも、非常に大事なスタンスだと思います。
<文・撮影(オリジナル写真)/食文化研究家 スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12