◆延々と自分の話ばかりする彼に、イライラが募るように……

男性は、ニコニコしながら真由美さんに向かって手を振ってきたそう。

それどころじゃない真由美さんは「他にも誰か誘うって言っていたけど、なんで1人なの?」と詰め寄ったそうです。

すると、彼からは「そんな怖い顔しないでよ。楽しく会話しようと思っていただけだから、安心して。ところで、何飲む?」と、メニューを笑顔で渡されたそうです。

彼は屈託のない笑顔で、悪気もなくニコニコしている様子でした。居酒屋は大衆系のお店で、周囲もガヤガヤと騒がしかったので、「変な雰囲気にはならないだろう」と真由美さんは感じたそうです。

彼はお酒が進むなり、「真由美は、どんな人が好きなの?」「うちの嫁さんは、子育てもちゃんとしていて、本当にいい女」など、自分が話したいことを一方的にベラベラと語ってきたそうです。

彼は時折真由美さんに質問をすることもありましたが、大抵「ふぅん」としか答えず、具体的な回答をする気もなさそうだったそう。

おまけに彼は、延々と自分の話や、奥さん、子どもの話を、聞いてもいないのに語ってきたそうです。おそらく彼は、ただ自分の話を聞いてくれる人を求めていただけなのだろうと、真由美さんはこの時悟ったそう。

やがて「そろそろ帰りたい」と真由美さんが言うと、急に彼が手をギュッと握ってきたそうです……。