◆慰謝料として100万円貰う

「それまでは、離婚したければ慰謝料は諦めろって偉そうな態度でしたが、弁護士が入ると自分の不倫についてあれこれ責められるし支払いからも逃げられないって気がついたのでしょうね。高い金額を吹っかけられる前に別れてしまおうと思っているのがミエミエでした」

 金額について「50万しか出せない」と夫は言い、「相場は300万よ。100万まで下げてあげるから」と優さんも譲らず、払わないのであれば弁護士を入れると今度はこちらが強気に出た優さんに負けた夫は、最終的に100万円の支払いを決めました。

「家族を裏切ってよその女とコソコソ不倫していたくせに、最後まで文句を言う元夫には本当に呆れました。だから、慰謝料が振り込まれたときは気が晴れたけど、うれしいなんてとても思えなかったですね」

◆同じシングルマザーの友人A

 優さんにはふたりの子どもがおり、離婚が決まったときに親権を放棄した夫は養育費を払うことも約束していました。

同じシングルマザーの友人A
「それでも、相場よりずっと安い額なんですよ。これも、最初は払わないと言っていたけれど弁護士の存在を知ってから渋々決めた感じです」

 子どもたちを連れて同じ市内の実家に戻った優さんは、仕事を続けながらやっと安定した暮らしに戻ります。友人のAさんとは、同じシングルマザーとして離婚後はよく連絡を取り合い、たまに食事を楽しむようなお付き合いをしていました。

 Aさんの離婚は優さんより何年も前で理由は「性格の不一致」、「とにかく離婚したい一心で」と養育費の支払いを決めていなかったAさんの暮らしは決して楽ではないことは、普段の様子から知っていました。

 元夫が不倫していた話をすると「大変だったね」と言ってくれたAさんでしたが、「慰謝料として100万を払わせたの」と優さんが言うと態度が変わり、「いいなあお金が入って」「羨ましい」と何度も言われることが、優さんにはストレスだったそうです。