離婚の成立に至る過程は本当に人それぞれで、一見すると簡単に叶ったように見えても実は相当に大変な思いをしていた、なんてよくあることです。
離婚時に決定する「慰謝料」は、金銭での償いが必要なほどの苦痛があった証拠で、それを考えれば羨ましいとは本人を前にして言えないですよね。
「私がどんな思いでそのお金を手にしたか、友人がまったく気にしていないのがショックでしたね」
そう話す竹井優さん(33歳)は、同じシングルマザーの友人の非常識さに怒りを覚えたそうです。友達の縁を切るほどのショックとは、どんなものだったのでしょうか。
◆夫の不倫が原因で離婚
優さんは、三年前に夫の不倫が原因で離婚しています。不倫相手はスナックで働く女性、夫は通ううちに深い仲になったことを白状し、離婚には同意したものの優さんから慰謝料を請求されると「そんな金はない」と拒否したそうです。
「最初は『悪かった』と謝っていたのに、慰謝料の話が出たら今度は『お前のせいで浮気したんだ』って言い出して、本当に腹が立ちました。不倫を認めた以上は、絶対に払わせてやると思いましたね」
慰謝料なしでの離婚しか認めないと強気な夫への対応に悩んだ優さんは、友人に打ち明けます。
友人の勧めで弁護士に相談することを決め、実際に予約を入れてから「○○日に弁護士事務所に行ってくる」と伝えると夫の態度が一変。「わかった」と慌てたように慰謝料の支払いを認めました。