◆子育てを頑張る親が、SNSを“安全に”使うことは悪くない
「保護者がSNSを使って子どもに関する写真を投稿することで、それを見た人から『自分も同じように苦労している」と労われたり、『その時期は本当に辛いですよね』と共感してもらったりといった声が救いになるケースは本当に多いです。また、先輩パパママや同世代の子どもを持つ親とつながり、子育ての有益な情報を得るキッカケにもつながります。これらは自己満足とは違いますよね。
すでに頑張って子育てをしている人が、SNSを安全な範囲で使うことは悪いこととは思えません。子どもの写真をアップしたり子育ての苦しさを吐き出したりなど、そういった投稿を全部『子どもがいる自慢』『子どもを利用していいねを稼いでいる』と言ってしまう空気感が蔓延(まんえん)すると、社会と繋がる手段が失われてしまう。その結果、追い詰められ、虐待などに発展するかもしれません。
子どもを“利用”することがネガティブにとらえられるのには同意しますが、救いを求める手段がSNSしかない人もいます。盲目的に『子どもに関する投稿=悪』という空気感が醸成されてしまうことは大変危険です」
上手にSNSを使えれば、子育ての負担を軽減することができる。そのためにもまず、どういった写真がNGなのかなど、SNSの使い方を勉強するところから始めると良いだろう。
(*2)<調査概要>
調査名:子ども写真のSNS投稿に関するアンケート
調査対象:0歳〜小学校高学年の子どもを持ち、SNSに子どもの写真を投稿したことがある保護者459名
調査期間:2022年12月22日〜12月26日
調査方法:インターネット調査
調査元:fotowa家族フォト総研
【高橋暁子】
ITジャーナリスト/成蹊大学客員教授。LINE、Instagram、Twitter、TikTok等のSNSに精通。10代のSNS利用実態や情報リテラシー教育が専門で、『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著書、メディア出演多数。中学生の母。元小学校教員。教育出版中学国語教科書にコラム掲載中。
<取材・文/望月悠木>
【望月悠木】
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki