◆鳥羽シェフ、妻や世間など全方位に気を遣う実業家らしさ

今回、文春のインタビューに応じた鳥羽氏は、まずは世の中を騒がせたことを謝罪、さらに現在、ほぼ仕事がなくなっていると明らかにした。

そして料理の世界に入る前からの糟糠(そうこう)の妻にも感謝と謝罪の気持ちを示し、実業家らしく全方位に気を遣っている印象。広末との関係についてもかなり詳細に話している。やはり「恋してしまったふたりは自分たちでも止めようがなかった」ようだ。

一方で、もちろん今まで努力を重ねて培ってきた信頼や世間の評価などが木っ端微塵(こっぱみじん)になっていることも承知している。それでもなお、広末への愛は冷めてはいないことがわかる。

◆本気で恋に落ちた場合、人の気持ちは理屈通りにはいかない

結婚してから他の異性と本気で恋に落ちた場合、離婚してからその人と再婚するというのが、いちばん世間のそしりを受けない方法ではある。

だが、人の気持ちはそう理屈通りにはいかない。離婚に時間がかかることもあるだろうし、配偶者が離婚に応じないこともあるだろう。

そうなったら、「本気で恋した相手」とは会ってはいけないのか。ふたりの関係を築いてはいけないのだろうか。破綻(はたん)した結婚生活をいつまでも守ることが、「誠実」なのだろうか。自分の気持ちに嘘をついて、好きでなくなった人と一緒にいるのがいいことなのだろうか。

鳥羽氏は7月1日に長野にレストランをオープンする。本来なら本人が来店し、華々しく祝うはずだろうが、今回は来店しないと店側担当者に謝罪があったらしい。長野はジュン氏の出身地だ。これもまた因縁なのだろうか。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio