◆違法性を避けるための定番手段
清美さんは、会場でもらったサンプルのオイルを筆者へ送ってくれた。ふたをあけると、積極的に嗅がずとも、濃厚な香りがあふれ出す。これを肌に直塗りとは恐ろしい……と実感できた。
販促のための根拠なき健康トークと、精油の危険な使用法。この集まりにおける問題点はそこだろう。
本来の目的を告げずに面会の約束をして勧誘行為を行えば「ブラインド勧誘」という違法行為になるが、この会はあくまで「アロマクラフト体験会」。その場で会員になる手つづきをしたり、商品を売るわけではない。
つまり、行政からは「問題なし」と判断されるラインなのだ。
「もし商品を買いたいなら、会員になるとリーズナブルに購入できるから、興味があったら別途声をかけてくださいね、くらいの説明でした。でもそれで終わるはずがありません。後日、別の集まりでママ友たちが続々と入会している現場を目撃しました」
その後子どもたちは小学校へ進み、現在も保育園グループのママ友たちとのおつき合いがつづいている。そのグループを中心に、周囲に会員が着実に増えているようだ、と清美さん。