日常のどこにでもある、広く浅い沼の入り口。子育て中の母たちを狙う教科書のような体験談が、今回の沼の話である。
30代の沢渡清美さん(仮名)は、とある地方都市に暮らすワーキングマザーだ。子どもの保育園時代に親しくなったママ友グループのあいだでいま、マルチ系アロマへの会員登録が広まりつつあるという。
ママ友グループの前にマルチの商品が登場したのは、「アロマクラフト」(アロマオイルを使って作るものの総称。アロマバスソルトやアロマスプレーなどがある)の体験会でのことだ。定番オブ定番の、入り口である。
マルチ商品に触れるきっかけとしてママ友に誘われるケース以外だと、子育てイベントで情報を得た、マルシェなどで体験ブースが設置されていた、などもあるだろう(実際、筆者もそれをよく見かける)。
清美さんの場合は、保育園卒園の準備が本格的に始まる秋口に、ママ友つき合いが活発になったことがきっかけだ。小学校入学の準備も控え、親たちの連帯が高まるタイミングでもある。