◆なぜ、昔は「銀行に預けていればOK」だったのか
インフレ時代の資産防衛策は、金利を上手に使いこなすことです。仮に銀行に預金をしても、それに見合うだけの金利、すなわち利子があれば、インフレに大きく負けることはありません。
たとえば、現在、アメリカの銀行の短期金利は5%ほど。一方、2023年のインフレ率は3%前後です。銀行預金を続けているだけでも、資産は年間2%増えていく。金利のおかげで資産は防衛できるわけです。
数十年前までは、日本でも銀行金利は高かったので、インフレ時代であっても、資産を銀行に預けることに意味がありました。たとえば、1990年12月末、銀行金利は年間6.08%だったので、仮に100万円を預ければ6万円近い利子がついたのです。
しかし、現在は低金利の時代です。銀行にお金を預けても0.02~0.03%前後の利子しかつきません。100万円を預けても、年間200円か300円の利子しか発生しない。それでは、ちっともインフレ対策にはなりません。