降り注ぐ日差しの下で整えられた植栽と木々が青々と輝くなか、スタッフの案内のもと3グループに分かれて庭園内を見てまわった。
従来の石の墓とは趣向の異なる、モダンで自然な印象の樹木葬。大きなシンボルツリーの下には、納められる柱数に応じてガラスや石のプレートが置かれていた。
家族で眠れるタイプの他に、一人だけで入れるタイプも人気で、生前に契約を済ませておく人も多いという。「家族みんなが同じじゃなくてもいいんですね」と参加者は新しい視点を得た様子だった。
全参拝室が特別室仕様の納骨堂を見学
次の見学先は、港区南麻布の納骨堂「瑞華院了聞」。全参拝室が特別室仕様で、快適で上質なしつらえの個室で周りを気にせずお参りができる事から人気を集めている。
「お寺は暮らしのそばにあって、本来は気軽に立ち寄って話ができる場所なんですよ」という瑞華院 上人の言葉に参加者は安堵した様子で、和やかに質問が飛び交った。
その後はエントランスへ戻り、受付機で参拝室を選択。指定の参拝室へ移動すると、遺骨を納めた厨子が自動的に参拝室へ運ばれており、個室の中でゆったりと故人を想いながら手を合わせることができる。
実際に見学してみて、「自動搬送式」という言葉から受ける機械的な印象が変化した人も多いようで、田村淳さんは「(自分の行先は)海洋散骨って決めていたけど、これもいいね」と好印象の様子。
見学後に開かれたプチセミナーでは、「おひとりさま」の終活がテーマに取り上げられ、「自分で決められるうちに準備しておくこと」の重要性に多くの参加者が深く頷いていた。
船に乗って仮想のセレモニー&海洋散骨体験
最後は実際に船に乗って体験する海洋散骨だ。中央区勝どきの船着場前でバスを降りた参加者はクルーザーに乗り込み、散骨ポイントである東京湾羽田空港沖に向かって出発。
船内には田村淳さんの写真が飾られ、仮想のセレモニーが進行されていく。船内のモニターから田村淳さんのメモリアルビデオが上映されると、参加者だけでなく本人も目を潤ませる姿が見られた。