◆バイトを3つ掛け持ち、お金は全て“推し活”に注ぐ

和子さんは高校時代に、あるアイドルグループに所属する男性のことを好きになりました。そのころはまだ、テレビで見てかっこいいなと思う程度だったそうです。ですが文系の大学に進学してからファンクラブに入り、初めてそのアイドルのコンサートに参加します。会場の一体感に包まれ、「また来たい!」と思うようになりました。

推し活
そしてサークルには入らず、アルバイトに精を出しました。長期アルバイトの他、短期のアルバイトも入れて多い時は3つ掛け持ちしていたことも。バイトのおかげで、交通費がかかる地方のコンサートにも行けたそうです。

今で言う“推し活”を楽しむ一方で、いつも一人参加だった和子さんにはコンサート後に感動を分かち合える相手もいませんでした。帰宅時には、グループで参加しているオタク女子たちを羨ましく眺めていました。やがてSNSで同じアイドルが好きな人とつながり、情報共有するようになりました。同じ人が好きなグループ(「担当」と呼ぶらしい)でオフ会に参加したこともあったそうです。