―連載「沼の話を聞いてみた」―
就学前の子どもを対象とした「早期教育」。歩(あゆみ・仮名)さんは、いまから20年ほど前、ママ友からの誘いで「授業を通して、非認知能力を育てる」ことを目的とした知育教室に、当時幼稚園児だった息子を通わせていた。
そこで繰り広げられていたのは、教育にのめりこむ、母親たちの沼だった――。
教室には教育意識の高い母親たちが集まり、最終的には子どもらを東大へ進ませることを目標としていたという。
土日になると授業をみっちり詰め込むだけでなく、「頭をよくする」ことを目的に、音楽や読み聞かせ、体操、なかにはスピリチュアルなものを取り入れていた母親もいたという。
「音楽などの情操教育に役立ちそうなものも、すべてが”頭をよくするため”というのはすでにお話しましたが、栄養面も例外ではありません。子ども向けの栄養ドリンクを飲ませているのも、よく見かけましたよ」
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