◆ゾッとして飛び出したら追いかけられて

そしてしばらくの無言の後、亜紀さんが「もし私がこのまま気がつかなかったら、ずっと結婚していることを隠しながら関係を続けようとしていたの?」と聞くと翔太さんは「うん、好きだから」とあっけらかんと薄笑いを浮かべながら言い放ったそう。

「心底ゾッとしましたね…全身に鳥肌が立ちました。よく疑いもせずこんな男と付き合っていたなと自分に呆れて絶望的な気持ちになり、いつのまにか翔太のことが得体の知れないモンスターのように見えていました」

そしてそんなモンスターと部屋で2人きりなことが怖くてたまらなくなり、亜紀さんはスマホだけ握りしめると部屋を飛び出してしまいました。

「翔太が『待てー!』と怒鳴りながら追いかけてきたので、必死に走ってエントランスを出たところにある植え込みの後ろに隠れて息を殺しました。

するとすぐ後から走ってきた翔太が私に気づかず舌打ちをしながら駅方向に曲がっていったので、恐怖で足腰がガクガクになりながらもなんとか逆方向に逃げたんです」