異常な猛暑が続く今年の夏だが、悪夢は気温だけではない。物価高や電気代の高騰で子育て中の困窮世帯はかつてないほどの苦境に置かれている。

 この夏休みに何が起きているのか。支援者への取材や当事者の声から浮かび上がった子供の貧困の実情に迫った。

◆「女性の賃金の低さは顕著」

[貧困子育て世帯]地獄の夏休み
※画像はイメージです(以下同)
 '22年度の「労働力調査」(総務省)によると、非正規雇用で働く人は全国に約2100万人で、労働者の約37%を占める。

 うち7割が女性だが、女性の賃金の低さは顕著で、年収100万円未満が41.2%、100万~199万円が38.2%となっている。まさにワーキングプアの状態だ。

 都内に住むシングルマザーのSさん(40代)は嘆く。

「ひとり親世帯は各種手当があり、自治体によっては医療費が無料になったり、水道代が減免されます。

 ある日、シングルのママ友がみんなの前で『医療費がタダになるから、パソコンで腱鞘炎になったと嘘をついて接骨院でマッサージをしてもらっている』と言っていた。

 ほかのママ友からバッシングの嵐ですよ。でも、疲れてもマッサージ店に行く金銭的余裕なんてない。これくらいしか自分を癒やせる場所がないんです」