◆布団をかぶって「どうしよう、どうしよう…」

痩せて顔色悪く、うまく笑えなかった絶不調の時期
痩せて顔色悪く、うまく笑えなかった絶不調の時期
 それまでのカウンセリングでは、夫とのいざこざの中で抱いた罪悪感などを話していましたが、新たに「息子の進路」で頭がいっぱいになってしまったわたしは、カウンセリングでもこの状況を話し、整理してもらうことにしました。

 カウンセラーさんもお子さんの中学受験経験があるようで「中学受験は親も体力と精神力が必要。今の状態で挑戦しなくてもいいのではないか?」など意見をくれました。子どもは私立中学じゃなくてもちゃんと育つよ、と。

 ですが当時のわたしは不安に溺れ、思い込みも強かったのでカウンセラーさんの話さえまともに聞けませんでした。「なんとかしなくちゃ」という気持ちばかり先行して「なんとかなるさ」の視カ点は一切持てなくなっていました。頭はいつもグルグルと考え、もつれ、ときどきパニックも起こします。

 なんとなしなくちゃと思えど何も案が浮かばず、布団をかぶって「どうしよう、どうしよう」と思っているだけで1日が過ぎる日もありました。口を開けば「塾どうしよう」と言い出すありさまになり、常に何かを考えている状態で、目もうつろな状態でした。

 この当時は食べることさえ面倒になっていました。なんとか晩ごはんは作りましたが、調子の悪いときには炒めて市販の「クックドゥ」のような調味料を入れるだけのもの一品作るのがやっと。

 昼間、夫と息子がいないときには食事も面倒で、空腹になったらフラフラとキッチンに行って、手づかみで白米を食べたこともありました。このころは食べ物の味も感じられないほどになっていました。

 ときどき夫や母が心配して「何かおいしいものでも食べに行こう」と言ってくれるのですが、美味しいものなんか食べたいと思えず、食べたところで味もせず、ただひたすら家で寝ていたい、明るい光や音楽さえうるさく感じ、部屋を真っ暗にして横になる日々。