曖昧にしていたのは、津野くんだって一緒なんです。職場のかわいいシンママの役に立ってる自分に酔っていたことは間違いないし、責任を取らないまま、女の人の弱みにつけ込んで、困窮を利用して「家族ごっこ」を楽しんでいたのは津野くんのほうなんです。まるで覚悟がないんです。
「僕のほうが悲しい自信があります」じゃないんだよ。それだって「大切な人を失った」という「ごっこ」でしかないんだよ。ホントに大切なら背負えよ。丸ごと背負うんだよ。
このドラマの、そういう曖昧で「優しい」を自負する男への解像度の高さに、もう嫌になっちゃいました。おばあちゃんはその津野くんの曖昧さを理解してるから、水季の部屋の整理をさせなかったんだもんね。「家族でやりますから」って言い放ったんだもんね。
このドラマで唯一、私が個人的に共感できる立場なのが津野くんでした。共感しちゃったなぁ。いやー共感した。嫌だよねえ、シンママの生活を丸ごと背負うなんて。怖いよねえ、リアルな家族なんて。ああ、ああ。
(文=どらまっ子AKIちゃん)