◆そこに置かれた小さなテント

グランピング
 ところが、到着したところは山奥のキャンプ場でした。

「さすがに、そこからグランピング施設に移動するものだと思っていたんです。そしたら、彼がそのキャンプ場の隅に車を停めて、『ここから歩いていくよ』って。車を降りると地面は湿った土で小石もたくさんあるし、すごく嫌な気分でした」

 そこから5分ほど歩いたところにあったのが、恵子さんの彼が予約したテントだったそう。

「彼が『ここかな』と言ったところが、普通の小さいテントだったの。あの時は、頭の中がフリーズしてしまいましたよ。え? まさか、嘘でしょう? って」

恵子さんが彼に、「ねえ、グランピングじゃないの?」と聞くと、「え? グランピング?」と驚いた顔をしたそう。