その書き込みをしたのが、7年前に子どもを「殺した」と言った夏くんの彼女・弥生さん(有村架純)だった。弥生さんの影響で、水季は海ちゃんを産んでいた。弥生さんは今、その海ちゃんのママになろうとしている。
ここまで『海のはじまり』というドラマは、とことん受動的な物語として進んできました。さまざまな結果を受けて、その結果に対して右往左往する人たちを描いてきた。だからこそ彼らにとって「海ちゃん」は不可避な災難かつキラキラと輝く宝物として存在してきたわけですが、ここで初めて弥生さんの能動が物語を動かしていたことを示してきたわけです。
いわゆる、脚本家による“神の手”が差し込まれた。
厳しい采配だと思います。弥生さんも、これで災難に巻き込まれた被害者ではいられなくなった。弥生さんがそれを知ることはないでしょうが、私たち視聴者は知ってますからね。「おまえのせいだった」って知ってるんだ。
登場人物の秘密を“神の手”によって視聴者側にだけ握らせるというのはミステリーの常套手段ですが、こういうドラマでこんな風に使ってくるなんて、やっぱりものすごくテクニカルなことをやってる作品だと思いました。いやー、おもしろい。もう夢中ですよ。
(文=どらまっ子AKIちゃん)