仮想通貨で買うタイミングを逃し後悔
ーーその後、投資の方はどうなっていきましたか?
その後の失敗談としては、フィスコは仮想通貨取引所を持っているという関係もあって、私も昨年、ビットコインなどの仮想通貨への投資を始めました。初期はそれなりにうまくいったのですが、今年の1月、TVでも大きく報じられた事件をきっかけに、ビットコインの価格がすごく下がってしまいまして、年末には一時200万円台にもなった1ビットコインあたりの価格が節目の100万円を下回ったんですよね。
100万円を割ったときに「ちょっとヤバいな」とは思ったんですけど、今までどんどん上がってきたという背景もあったので、「これもよくある事なのかな」と思って、損切りすべきタイミングがあったにも関わらず、損切りすることができませんでした。
結局、1ビットコインあたりの価格は一時60万円台まで下がってしまいました。しかし、その後リバウンドして2月には100万円台まで戻りました。
株価もそうなのですが、相場はずっと急落し続けるということはあまりなくて、急落した後は途中でリバウンドを見せる場面もあります。仮想通貨も同じで、急落したら一度損切りして、気持ちを切り替える必要があります。そして、リバウンドし始めたところを狙って、損切りした分を取り戻すことができたはずです。
ただ、仮想通貨が60万円台になったとき、投資するための余裕資金がなかったので、買い増すことができなくて、すごく悔しかったんですよ。
ーー「そのとき」に判断するのは難しいですよね。
はい。投資は1回の勝負で勝ちにこだわるんじゃなくて、自分のコントロール次第では、1回戦目で負けたとしても、2回戦目でまた利益を出して挽回できる可能性があります。1回の勝ちにこだわりすぎると、結果的には1回の勝ちにこだわりすぎたがために、全体で負けてしまうことがあるんです。
損切りやナンピン買い(価格が下がった時にさらに買い増す投資手法)など、売買のルールを自分の中で決めておく大切さを知りました。
街歩きをしながら投資先をチェック
ーー株は長期で持つことが多いんですか?
長期が多いです。職業柄、株を購入するのに事前申請と承認が必要、ということもありますし、性格的にもすごくのんびりしているので。長い目で見て「この企業は今後、成長してくれるかな」という視点で銘柄を選ぶことが多いかもしれないですね。
ーー個別株だと、どういう方針で銘柄を選ぶんですか?
いろいろありますよ。友人がその企業で生き生き働いていると聞いて、そこから自分でその企業について調べることもあります。
学生時代、ある化粧品メーカーのPR大使を務めていた経験があり、お化粧品を自作するくらい好きということもあって、化粧品メーカーも見ます。最近は、オーガニック志向が高まっているので、そうしたトレンドを取り入れた商品を見たときは、その企業に注目しますね。
あと、オフィスが表参道にあるので、街を歩いて行列ができているお店を見て、「今、パンケーキが流行っているな」とか「ローストビーフ丼をよく見るな」とか、そういったところから企業を調べることもあります。街中の企業も案外、上場しているんですよ。
ーーいいなと思う企業があったとして、その企業のどういったところを調べるんですか?
外食産業の場合だと、自分で実際に行ってみて、「もう1回行きたくなるかどうか」を考えます。また、日本食は海外ですごく人気があるので、例えば海外在住の知り合いに「どう?」って聞いてみて、「毎日行列できているよ」という情報を得ることもあります。他にも、お客さんがどの程度回転しているかも、食事をしながら気にしています。
ーーなるほど。
あとは自分の注目している事業がその企業にとってどのくらいの割合を占めているのか、ということも重要です。例えば商社ですと、とてもたくさんの事業を展開していますよね。自分の好きなお店に商社が絡んでいるとわかったとしても、それが株価に反映されるかというと、あまりそうでなかったりもします。その他には、株価のチャートを見て、「今は買い時かな?」というのも当然チェックしますね。
あとは投資家の皆さんがしていることなのですが、PER(☆)を見たりもしていますね。PERって聞くと、私も最初は全然分からなかったんですけど、株を選ぶときって洋服を選ぶときと同じだと思っています。
☆PERとは?
その株が割高か割安かを判定するための指標。数値が大きいほど「割高」となる。(参考:株の◯◯がこれで分かる!初心者向け「PER」「PBR」徹底解説