過酷なバス旅が、緊迫感のかけらもない女子旅に

 今回のバス旅の特徴として強く印象に残ったのは、キャピキャピした雰囲気だ。

 路線バスに乗り込む際、整理券を取り忘れるなどバス慣れしていない様子が窺えた彼女たち。席に着くと、そこからは和気あいあいとしたトークが展開された。番組が開始してわずか10分弱で、羽田&田中が2時間半で交わすであろう会話量をあきらかに超えている。どれだけ羽田&田中が会話していなかったか、3人のやり取りを見て気付かされた。

 ただ、この元気がいつまで持つかが見ものだ。というか、このお気楽な雰囲気のままでは単なる女子旅で終わってしまう。それこそ、『朝だ!生です旅サラダ』(テレビ朝日系)となんら変わらない。

 そんなこんなで、宇都宮に到着した一行。

「宇都宮だもん、餃子とビールじゃん。ランチビールとかダメなのかな?」(三船)
「餃子を食べて、(それからバスに)乗ります!」(赤江)

 宇都宮に来た途端、“餃子ファースト”になる始末だ。基本、考えが甘い3人。これは、田中要次が3人いるようなものか?

 バスに乗って真岡市台町に着いた一行は、県境に向かって歩くことに。すると、線路沿い付近でSLの“ポゥ~!”という汽笛が聴こえてきた。

「あぁ~! SL~! カッコいいーー!」(三船)

 沸きに沸く女子旅御一行。というか、バス旅なのにSLの登場にアガるスイッチがよく考えると不可解だ。

 その後、カフェに入店してタピオカを飲むなどキャッキャし続けた3人。結果、1日目の旅は小山で終了となった。どうやら、1日で栃木を脱出することはできなかったようだ。

 この日の総括を兼ね、宿の近くで食事をとった3人。彼女たちが選んだのはイタリア料理店で、入店してすぐにいちご入りのスパークリングワインをオーダーするという展開が新機軸である。今までのバス旅を思い出すと、スゴい映像だ。1杯1,188円と、スパークリングワインの値段も妙に高いし。前シリーズでは、居酒屋で羽田が生中を一気飲みするのがお決まりだった。

 今のところただの女子旅でしかなく、緊迫感のかけらもない。もはや、全員がマドンナみたいだし。華やかすぎて、別企画を見ている感覚なのだ。視聴者は、出演者が苦しむ姿をもっと見たいのだけど……。