◆自分で注射するのは「めちゃくちゃ怖かった」

卵子凍結の流れは大きく分けて3つ。まず最初に診察と検査で、血液検査、超音波検査、AMH検査(卵巣予備能検査)などを行い、妊娠・卵子凍結が可能な体かどうかを調べます。

次に質のいい卵子を複数採取するために排卵誘発剤を使用し、多くの卵子を成熟させます。そのために、月経開始から3日以内に病院へ来院し、そこから毎日排卵誘発剤を決まった時間に自分で注射します。

卵子凍結
排卵誘発剤の注射
最後に、排卵誘発剤を打ったあとの卵胞の育ち方を見て、採取の日時を決定。(もう少し成熟させた方がいい場合は、排卵誘発剤を打つ期間も長くなります)当日は卵巣の中の卵胞に針を刺し、卵胞液とともに卵子を吸引・採取するという流れです。

Aさんは「月経開始から3日以内に病院へ来院しなければならないのですが、予約が取れなかったり、自分の予定と合わなかったりで難しかったりする人もいるそうです。生理不順だとタイミングが難しいのでそこも要相談。予約が取りやすいか、スケジュールの融通がきくかも確認したほうがいいです」と自身の経験からアドバイス。

卵子凍結
排卵誘発剤の注射
自分で注射を打つことに怖さはなかったのかと尋ねると「最初は髪の毛くらいの細さの針なので、多少は怖いけど、別に痛くも痒くもなかったです。ただ、“採取の16時間前”など、決まった時間ぴったりに打たなければいけない最後の注射は、今までとは全く違う太さと長さの針だったので、さすがにすごく怖かったです。

『こんな太くて長い針の注射を自分で打つの?』『失敗したらどうしよう』って不安で…。でも覚悟を決めて、針を打つ部分をキンキンに冷やして頑張って打ちました。打ったら別に痛くもなんともなかったんですけどね」と明かしてくれました。