ここで雨ちゃんは、窓際の車椅子を眺めながら「幸せな未来」「笑っていられるような素敵な未来」「未来にワクワクしてる」というかつての自分と、この施設で暮らしている人々を対比します。
「幸せ」「素敵」と「心身障害」を対立軸に置いたということです。
彼らを「不幸だ」と言い切ったということです。
ファンタジーとして不幸を描けと言ったのは、まさにこのことで、現実の中で障害を抱えている人たちを登場させて、その人たちをサンプルにして「あんな風になったら不幸だ」「ああはなりたくない」とだけは、絶対に言っちゃいけないんです。フィクションだろうが、ティーン向けのラブストーリーだろうが、それは絶対にダメなんです。
ドラマを作る仕事というのは、人間や社会といった現実を道具として使う商売です。だからこそ、現実を踏みにじってはいけない。おまえが作ったわけでもない誰かを、勝手に「不幸だ」と決めつけてはいけない。そんな論法でもって「さあ泣け」なんて、間違っても言っちゃいけない。それは物語を作る人の最低限のモラルでありマナーだ。
で、ふと思ったんですけど、このドラマ見てこんなこと考えて怒ってんのって、日本中で私1人なんじゃないかね。だって、ちょっとでもそう思ったら見るのやめるもんね、普通。
日銭稼ぐのも楽じゃないですな、ふー。
(文=どらまっ子AKIちゃん)