◆オゴるから一緒に飲もうという誘いは夫の尾行だった
そんな時、香織さんから怪しい連絡が来たそうです。
「ある時、香織から『ご飯をごちそうするから、一緒に食べに行こう』と誘われたんです。『べつにオゴってもらわなくていいよ』って返信したのですが、『オゴらせて』の一点張り。
そこで気づけばよかったのですが、彼女からの誘いは、いつもと違ってランチではなく平日の夜の時間帯で、店の場所も時間もすべて指定されていたんです」
理由もわからず店に到着したという祥子さん。予約がしてあった店はオフィス街にあるおしゃれなバルでした。
「狭い店内に入ると、すでに満員でした。店内を除くと、カウンター席に香織の姿がありました。普段は着ないようなダボっとした男性っぽいコートに、ズボン姿で、明らかに変装をしているのがわかりました。よく見ると、髪をしっかりと結び、黒縁の伊達メガネもしていました。
向こうがあわてて手招きをしてきたので、急いで駆け寄ると、『後ろは振り向かないで』とくぎを刺されました」
祥子さんが、おそるおそる後ろを見ると、右斜め奥の席に、結婚式で見かけた香織さんの夫が女性と座っていたそうです。
「香織は夫のパスワードを盗んでスマホをずっと見ていたそうなんです。勝手に盗み見た時に、女性とのやり取りが見つかったとのことで。そこで、女性と会う予定の店に、先回りをして張り込みをしていたんです」
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