◆レンジ調理なのに食感がぐにゃっとせず美味しい秘密は?
――「パキット」も「レンジのススメ」も電子レンジだけで調理が完成し、味も美味しい。理想的な商品であるだけに、開発は苦労が多かったのではと想像できますが……。
佐藤さん(レンジのススメ開発担当、以下略):そうですね、開発当初はそもそも「レンジ調理」の商品が世の中にも社内でも浸透していない状況だったので、勝手な思い込みによる苦労がありました。
――思い込みというのはどのようなものでしょうか?
佐藤さん:1~2品目で発売した麻婆豆腐のように豆腐だけで完結するメニューよりも、2つ以上の食材を使ったものは「料理感」があって、完成した時の驚きや感動がよりあります。
しかし生で食べることができる野菜と、しっかり加熱しなければならないエビやお肉をレンジだけで調理しようとすると難易度があがるんです。
どちらかに時間を合わせると焦げてしまったり、加熱が足りなかったりしてバランスが難しい。そこで工夫したのが材料を入れる順番です。
たとえば「八宝菜」では最初はお肉を最初に下に入れた方がソースに馴染んで火が通りやすいんじゃないかと思っていたのですが、そのあとに入れる白菜にプレスされたような状態になってどうしても焦げてしまうのが課題でした。
そこで先に白菜を入れて上にお肉を入れてみたところ、ちょうどいいバランスで火が通りソースが焦げずお肉も良い感じに蒸されることが分かりました。
これまでのレンジ調理の課題だった「野菜の食感がぐにゃっとして美味しくない」という問題も食材を入れる順番やレンジで加熱する長さで解決ができることが分かったんです。
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