◆あまりに突然の転勤は、家族全員にとってストレス

 徒歩圏内に鉄道駅はない完全な車社会で、おまけに仁恵さんは免許取得後の運転経験がまったくない筋金入りのペーパードライバー。あわててマイカーを購入しなければならず、住まいもマンションから一戸建てに変わり、あらゆる生活環境が同時に変わったといいます。

「しかも、夫は仕事のことで手一杯で家のことはほとんど私任せ。そんな状態ですから彼と口論になることも増え、関係がギクシャクしたことも一度や二度ではありません。

 娘だけでなく私たちも結構なストレスを抱え、いっぱいいっぱいの状態だったんだと思います。2か月前とは言いませんが、せめて1か月前に内示が出ていたらここまで焦らことはなかった気がします」

 最近は転勤制度を見直す企業が増えていますが、完全に廃止となったのはごく一部の企業だけです。転勤族と呼ばれる人たちは今も大勢いるのが現状になります。それだけに覚悟している人は多いと思いますが、いくらイレギュラーでも赴任直前での内示はやめてもらいたいものです。

<文/トシタカマサ>

【トシタカマサ】

一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。